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6)その他 アーカイブ

2008年07月03日

クアトロ・ラガッツィ

「クアトロ・ラガッツィ」 若桑みどり著 集英社文庫(上下)
信長の時代にローマを目指した「天正少年使節」についてはずっと関心があった。
新聞でこの本が、<昨秋突然逝った著者の大佛次郎賞を受賞した懇親の作であり、天正少年使節にまつわる壮大な叙述>と紹介されていたのですぐ飛びついた。

文庫本とはいえ分厚い上下巻で、その上肝心の4少年について各個人の記述は少ない。しかし当時の東西世界の時代的背景・西洋文明と日本文化と権力者の精神的葛藤を膨大な資料を読み解き示しながら4少年の生き様を読者の心にくっきりと浮かび上がらせる技法は見事で凄い本です。

日本の戦国時代末期と帝国化していく世界とがどのような形で邂逅していくのかがリアルに分かり私にとって新しい知識の発見に胸をドキドキさせられ読み進めるのが惜しくなるような感動の本でした。

ただ宣教師の名前や日本の大名の名前とその血縁関係者の名前が漢字の読み方が難しかったりしてややこしい。日本人でも洗礼名で書かれていたりするとそれもややこしい。
だから紙に登場人物と年代を書きながら読みました。


2009年07月01日

もっとおもしろくても理科

「もっとおもしろくても理科」清水義範 著  西原理恵子 絵
清水博士が理科のお勉強を笑いながら楽しく伝授する本。挿絵をハチャメチャな漫画家サイバラが入れる。
10の項目(進化論やロケットやビッグバンなど)があるけれど、中でも[遺伝子とDNAと生物たち]が、面白かった。

遺伝子については、理科の授業で興味深く習った記憶はある。XYとXXの関係ですよ。
DNAについては、最近犯罪の決め手にするのになくてはならないものになっているけれどよく分からない。「重力ピエロ」にも詳しく説明されていたけれど仕組みは難しい。
遺伝子とDNAの関係は、この本の解説によると、「染色体の中にDNAがあり、DNA中にある遺伝情報を伝える単位の一つ一つが遺伝子であるらしい」ということであるらしい。

もっとも清水博士自身は理学博士ではなく、本人勉強しながら書いているエッセイだから、一緒に「へ~ぇ。そうなんだ。」と冗談を聞きながら楽しくも深く学べるのであった。
サイバラ画伯はもうさっぱり分からんというノリで、ナンセンス漫画を挿入し思考を撹乱させ、真理がなかなか理解出来ない私を安心させる。

「DNA検査により犯人で無いことが実証された」あるいは「犯人であることが実証された」とよく言われるが、理屈もあいまいなまま納得していた自分を恥じた。
考えてみれば、賢いお人がおっしゃることに間違いないと、物事を鵜呑みにするのも危険なことでもありツマラナイ事だったなと思った。

これからは、物事の真相に迫る思考回路をもつよう頑張ろうと少し思ったけれど、物事をあいまいにするタチの私には出来ないだろう。

2009年07月19日

庭仕事の愉しみ

庭仕事の愉しみ ヘルマン・ヘッセ 著
ヘルマン・ヘッセ(1877-1962)は、ノーベル文学賞も受賞した著名な詩人であり作家である。私は「車輪の下」を若い時に読み、いたく感動したことがある。

この本はヘッセが亡くなって30年もの後の1996年にヘッセ研究者フォーカル・ミヒェルスにより編集され岡田朝雄により翻訳された。

ヘッセは後半生を庭仕事と執筆に費やしてすごした。
ヘッセは庭に佇みつつ、観察し思考する。

私自身、庭仕事をしていていつも感じることは、植物を育てることは子育てに通じるということと、生き物(人間も含め)の生死について深く考えさせられることである。

ヘッセは言う。「土と植物を相手にする仕事は、瞑想するのと同じように、魂を解放させてくれるのです。」

とても100年も前の記述とは思えない珠玉の1冊です。


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