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2009年01月 アーカイブ

2009年01月01日

田辺聖子の小倉百人一首

田辺聖子の小倉百人一首  田辺聖子著
新年おめでとうございます。
今年も「私の本棚」を、時々お訪ねください。

今日は、新年にふさわしく、小倉百人一首の紹介です。
昔はお正月に、家族で百人一首のカルタをしたものです。母が朗々と詠みました。
でも、私、実を言うと、恥ずかしながら正確に知らないのです。
札を早く取るために 
「秋の田の → わが衣手は、、、」「君がため 春 → わが衣手に 雪、、」
「君がため 惜し、、 → 長くもなが、、」
というような覚え方をして、中が抜けているのです。 

これは恥ずかしい、、、という訳で、「田辺聖子の小倉百人一首」を去年の11月頃から読み始め12月31日に、読み終えました。とても面白く読みました。
王朝人の風流、和歌の雅を、優雅に詠い、私の中にも潜んでいたらしい日本人としての情感を呼び戻してくれました。

今、我が家に集まって騒いでいる家族には、残念ながら 百人一首を楽しむ雰囲気がまだないので、今年は密かに一句ずつ完全に覚え、2年先あたりには披露してイイカッコしたいと思います。

2009年01月06日

日本童謡集

日本童謡集 与田準一編 岩波文庫
近所の児童書専門店の店主さんと話が盛り上がり、最後に薦められて買いました。

童謡童話雑誌「赤い鳥」の創刊(大正7年)から昭和20年の終戦に至る30年間に発表された創作童謡の中から300余篇を選び編纂された本です。

私が知っていて一番古い童謡は、北原白秋作詞「雨」。大正7年9月の作だそうです。
私が生まれる25年も前の歌です。
♪雨がふります 雨が降る
遊びにゆきたし 傘はなし
紅緒の木履(カッコ)も 緒が切れた・・・♪
知らなかった。そんなに古い歌だなんて。小学校の頃、否、大人になってからも雨が降ると雨を見ながら唄ったものだ。

大正8年10月の清水かつら作詞「靴がなる」
♪お手て つないで 野道をゆけば
みんな 可愛い 小鳥になって
唄をうたえば 靴がなる
晴れたみ空に 靴がなる・・・♪
この童謡は、お遊戯も知っています。替え歌も、、。
♪お手テンプラ  つないデコチャン 野道をゆけバリカン、、♪
7~8歳の頃、大きな声でしっかり唄っていたのを覚えています。何処で誰からおそわったのかしら?

昭和7年10月の島田浅一作詞「乳を飲ませに」
♪冷たい 雨の 降る原を、 弟おぶって 行きました。お乳飲ませに 行きました。
冬の カタバミ 咲いていた、小さな 溝を 超える時、足駄の 鼻緒が 切れました。
紐を 捜して いるうちに、 工場で ポーが 鳴りました。3時のポーが 鳴りました。
3時の 休み、 15分、 母さん 待って いらっしゃる、 お乳 はらして いらっしゃる。
鼻緒すげるも じれたくて、私は はだしに なりました。
はだしで 急いで 行きました。♪

この唄を知りませんでしたが、今のネパールの田舎のまずしい子供の姿がだぶりました。
「母さん 待って いらっしゃる。」という敬語の言い回しかたが なんともいえない、愛情と可憐さを呼ぶ。

この本には美しい日本の情景と美しい言葉が、溢れています。
あなたの本棚にも収めてほしいな。

2009年01月18日

いのちへの対話 露の身ながら

「露の身ながら」 多田富雄と柳澤桂子の往復書簡
国際的に著名な免疫学者の多田富雄氏と遺伝学者である柳澤桂子氏の往復書簡です。

多田氏は、研究発表で世界を股に掛けて飛びまわり活躍中の2001年の春、出張先の金沢で、突然脳梗塞の発作に見舞われました。何日か意識不明の後に、目覚めた時は、右半分の完全な麻痺に加えて声を失い、嚥下障害で水さえ飲めなくなり、重度の障害者になってしまわれました。

柳澤氏は、三菱化成生命科学研修所で、マウスを使って大発見に繋がるかもしれないというT遺伝子の研究に本腰をいれようとされていた時に、原因不明の病気にかかり研究を断念し、病気の原因がわかるまで32年間もベッドから離れられない生活を強いられ、病名が分かってからも病気は治らず闘病中なのです。

そのお二人の往復書簡は、お互いの身体を労わりあい、介護される身の辛さを嘆きながらも、家族愛、遺伝子、オペラや能、芸術、宗教、戦争と平和について多肢に渡り知的で格調高い対話が交わされます。

子供の頃から多くの困難に会って生活してきた人々は、逆境に強く逞しくて、ある意味羨ましく思うことも多いです。これまで、ぬくぬく暮らしてきた私なんかは、いくつもの困難を抱えながら逞しく生きていかれる人々を知るにつけ、この先、老い、どんな病気や境遇に陥るか、はたしてそれを乗り越えていけるのか、不安になることがあります。
お二人は病気になるまでは、家庭にも才能にも恵まれ、多くの人々から尊敬され、お幸せな毎日だった訳で、突然の病気にどんなに苦しい思いをされたか想像に難くありません。でも、お二人は重度の病気という重石を背負いながら、自分の研究に状況を重ねて不自由な身体を冷静に分析し、挫けず乗り越えていかれる姿には、とても感動しました。
二人とも、戦争の愚かさ、地球・人類の危機、についても、真剣に憂いておられ、不自由な身ながら、アピールしていく方法を考え実行していかれるところにも感動しました。

私もこの先困難に陥った時はきっと励みになるだろうと思わされました。

あなたにも、是非とも読ませたい本です。

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