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2008年05月 アーカイブ

2008年05月02日

愛のひだりがわ

「愛のひだりがわ」筒井康隆著 岩波書店
日本の、否、地球の未来は暗いという思いが強くなってきています。
この本の時代背景は何年か後の荒廃しきった日本です。
荒廃の有様はとてもリアルに描かれてあります。警察は役に立たずみな生きるために自警団を作り銃で身を守るような世の中です。
ご多分に漏れず不幸を背負った小学生の愛ちゃんが母に死なれ孤児になり何年か前に母娘を捨てていった父を求めて一人で旅に出る物語です。
危険がいっぱいの旅だけれどいつも危機一髪で誰かに守られる愛ちゃん。
スリル満点、怖いけれど夢と救いのあるいいお話で感動しました。
小学生の孫にも是非読ませたいなと思ったのですが、気が付くとちゃんと漢字にカナがうってあります。
児童書だったのですね。
こういうのが大人のための童話というのでしょうか。
お勧めです。

2008年05月05日

深泥丘奇談

「深泥丘奇談」  綾辻行人著 メディアファクトリー発行
新聞で紹介されたのを見てすぐ買いました。
京都に私が子どもの頃からよく知っている今でも独特の風情を残している深泥池(ミドロガイケ)というところがあり、その近辺で起こるシュールなミステリーというのが面白そう、、と思ったからです。
帯には、<作家が住まう“奇妙な京都”を舞台に、せめぎあう日常と超常、くりかえす怪異と忘却、、、。
読む者にも奇妙な眩うん感をもたさずにはおられない、たぐい稀なる怪談絵巻。>とあります。
まず本の装丁が凝っていて素敵、イラストが何ともいえない雰囲気をかもし出す墨絵でしかも可愛い。
こわ~い話ではあるけれどユーモアがたっぷり。
深泥池が深泥丘。比叡山が紅叡山。五山の送り火の大文字山が人文字山。怪しい病院が舞台になっているが、私はあの辺に、今では差別用語で口に出来ないが<気狂い病院>とヒソヒソ言っていた病院が昔あったことも知っている。
つまり京都のあの辺のことを知っている読者は倍は楽しめます。
それぞれ関連させながらの短編9編からなりますが、サムザムシという話が一番面白かった。
これから読む人のために内容は言いませんが虫歯のムシがヒント。
綾辻行人という作家を知らなかったけれどファンになりました。他の本も読んでみたい。

2008年05月16日

誇りを持って戦争から逃げろ!

「誇りを持って戦争から逃げろ!」 中山治著 ちくま新書
近未来には戦争に巻き込まれるだろう日本について真剣に考えさせられた本でした。

報道で知らされる世界情勢を見聞きするたび、又、ネパールから戻るたび、「日本は平和でいいわ~!」といつも思ってきました。
それは日本国憲法9条の戦争放棄の取り決めがあるからこそ今の平和があるということがこの本を読んでよく分かりました。
そのことは私も絶対その通りだと思うし断固改正には反対の立場です。
しかし著者も言っておられるように「断固として改正反対!」と叫んでも愚かな政治家によって恐らく憲法は近未来に改正されると私も思います。そして日本はアメリカに利用されて戦争に巻き込まれ多くの若者が他国で傭兵として戦わされアメリカのために命を落とすでしょう。

では「戦争に荷担するのはいやだ」と思っている者はどうすればいいのか?
著者は<逃げること>だけが我々に残されている最善の誇り高き解決策だと述べておられます。
「サウンド オブ ミュージック」のトラップ一家のようにとおっしゃいますが、そんなん無理ですわ。
日本は島国だし、、。

じりじりと政治的にも経済的にも非常に危険な時代を迎えるのは誰の目から見ても明らかです。
息子達には権力者にいいように利用されることなく、この時代を生きぬいてもらわないと心配なので、読ませなくちゃと思い2冊取り寄せました。

日本中の人々に読んでもらいたいと思った本でした。

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